はじめに

建設・土木工事において、「あと施工アンカー」は構造物の安全性を左右する非常に重要な要素です。
そして、必要な樹脂量を正確に計算することは、材料の無駄を減らし、コストを削減し、さらには安全性を確保するうえで欠かせません。

水谷工業株式会社が提供する「あと施工アンカー樹脂量計算」ツールは、こうした計算を簡単に行うためのウェブアプリケーションです。

本記事では、このツールの使い方をステップごとにわかりやすく解説していきます。

ツールの概要

水谷工業の「あと施工アンカー樹脂量計算」ツールは、
アンカー施工に必要な樹脂量を正確に算出できるオンラインツールです。
これにより、あと施工アンカーに必要な材料量を事前に把握し、過不足のない準備が可能となります。

▶ ツールのURL:https://www.mizukou.co.jp/keisan_ver2/jyushi.html
※スマートフォンからもご利用いただけます。

基本的な使い方


STEP1:樹脂タイプを選択する
画面左側の入力フォーム最上部にある「樹脂タイプ」のドロップダウンメニューから、
使用する樹脂のタイプを選択します。初期値には「カートリッジ」が選ばれています。
「カプセル」にしたい場合はドロップダウンメニューから「カプセル」を選択してください。


STEP2:部材の種類を選択する
「部材の種類」メニューから、使用する部材を選びます。
初期値は「異形棒鋼(D筋)」になっていますが、他にも「メートル並目ねじ(全ネジ/ミリ)」、「ウィットねじ(全ネジ/インチ)」と選択が可能です。


STEP3:サイズを選択する
「サイズ」メニューから、使用するアンカーや棒鋼のサイズ(例:「D10」など)を選びます。
選択後、自動的に「有効断面積」が表示されます。


STEP4:穿孔の詳細を入力する
以下の項目を入力します
・穿孔径(mm):アンカー用の穿孔する穴の直径
・穿孔深さ(mm):アンカーの埋め込み深さ
・本数:施工するアンカーの総数


STEP5:カートリッジ情報を入力する
・カートリッジ容量(ml):使用するカートリッジの容量(例:380ml)
・ロス率係数(k):作業中のロスを考慮した係数(例:1.05など、1より大きい値を入力)
※ステップ1の樹脂タイプを選択するで「カプセル」を選択した場合は表示されません

STEP6:計算を実行する
すべての情報を入力後、「計算する」ボタンをクリックします。
計算結果は画面右側の「計算結果」エリアに表示されます。

STEP7:結果の確認とPDF出力(オプション)
表示された結果を確認し、必要に応じて「PDF出力」ボタンで結果をPDF保存できます。
現場での記録や共有にも便利です。

計算結果の見方

計算結果には主に以下の情報が表示されます

・必要樹脂量(ml):総使用量
・必要カートリッジ数:指定したカートリッジ容量に基づいた本数
・1本あたりの使用量(ml):アンカー1本に使用する樹脂の量

これらの情報をもとに、材料の発注や施工計画に活用できます。

応用例と活用方法

異なる条件での比較

異なるアンカーサイズや穿孔深さを入力し再計算することで、最適な条件を比較検討できます。これにより、コスト削減や施工方法の選定が容易になります。

見積もり作成への応用

施工者や設計事務所の方々は、正確な材料量を算出することで、見積もりの精度向上にもつなげられます。

注意点とヒント

入力の正確性がカギ

計算精度は入力値の正確さに依存します。特に穿孔径や深さの値は、設計図書やメーカーのカタログを参考に、正しく入力してください。

ロス率係数の設定

ロス率係数(k)は、現場状況や作業者の熟練度により異なります。初めての現場や複雑な条件では、やや大きめの値に設定するのが無難です。弊社の場合は1.2で計算することが多いです。

まとめ

水谷工業の「あと施工アンカー樹脂量計算」ツールは、建設・土木現場において、正確な材料算出を簡単に行える非常に有用なウェブアプリケーションです。
正しい情報を入力することで、材料の無駄を削減し、施工コストを最適化しつつ、構造物の安全性を確保できます。

このツールを活用して、効率的で経済的な施工計画を立てていきましょう。
日々の業務の効率化に、ぜひお役立てください。