【テーマ】自社災害事例に学ぶ安全作業

担当:営業部 遠山
実施日:2025年9月25日(木) ※9月度協議会

今回は、自社で実際に起きた災害事例を取り上げ、改めて安全について考える時間を持ちました。
「同じ事故を二度と起こさないために、何ができるのか?」

安全意識をもう一段高め、現場で実践できる具体的な対策を身につけることが目的です。

【概要】発生した事故


1994年から2018年までの間に、当社では8件の災害事例が発生しました。
内訳を見ると、転落事故が5件、工具による事故が2件、一酸化炭素中毒が1件でした。

これらはいずれも、「もう少し注意していれば防げた」事故ばかりです。
すべての事故は、予防可能だった事故でした。

一つずつ振り返ってみましょう。

【1】転落事故 ~「慣れ」が最大のリスク~

これまで最も多く発生したのは、高所作業における転落事故でした。
立ち馬や脚立、足場での作業中に、安全帯を着けなかったり、器具の固定を確認しなかったりといった油断が要因です。
中には5m近くの高さから転落した事例もあり、状況次第では命に直結する危険性がありました。
慣れた作業こそ初心に立ち返り、基本の動作を徹底する必要があります。

転落事故は最悪の場合、死亡事故につながります!

✅【安全行動チェックリスト】
1.器具・脚立・立ち馬・足場の固定状況を作業前に必ず点検する
 → 不安定な状態での作業は転倒・落下の原因になります。

2.安全帯(命綱)・落下防止器具は正しく装着し、使用前に必ず確認する
 → 特に高さ2m以上では着用を厳守!

3.安定した姿勢を保ち、無理な体勢での作業を避ける
 → 疲労やバランスの崩れが重大事故につながります。

【2】工具事故 ~小さな油断が大きな怪我に~

工具を扱う場面でも、油断が思わぬ事故を招いています。
ハンマードリルでは想定より薄い躯体を貫通し、本体が急回転して腕を骨折する重大事故が発生しました。
また、カッターでホースを切断する際には、勢い余って指を切創する事例もありました。
「早く仕上げたい」という焦りが、安全を軽視する行動につながっています。

✅【安全行動チェックリスト】
1.作業前に躯体厚の確認を徹底し、ドリルのハンドル・本体を常にしっかり保持する
 → 振られや引っ張られによる転倒やケガを防ぐ。

2.ビニールホース切断はハサミを使用する
 → カッターよりも安全で、力の入れすぎを防止。

3.可能な加工は会社であらかじめ実施し、現場には完成品を搬入する
 → 現場での不安定な姿勢・切断作業を減らす。

4.カッター使用時は床面で作業し、刃を自分に向けない
 → 手元での使用や体方向への切込みは厳禁。

【3】一酸化炭素中毒 ~一酸化炭素は目に見えない~

密閉空間で発電機を使用し、一酸化炭素中毒が発生しました。
一酸化炭素は無色・無臭のため気づきにくく、初期の頭痛や吐き気を軽視すると重大災害につながります。
実際に体調不良を訴えながら作業を続けたことで、危険が拡大しかけました。
「見えないリスク」ほど、事前の想像力と徹底した対策が必要です。

✅【安全行動チェックリスト】
1.発電機は屋内で使用しない!
 → 排気ガスに含まれる一酸化炭素が滞留し、窒息や中毒の危険があります。

2.必ず屋外に設置し、換気を徹底する
 → 屋根のある場所でも、十分な通風が確保できない場合は使用禁止。

【4】共通の事故要因 ~「大丈夫だろう」の思い込み~

今回の事例に共通していたのは「大丈夫だろう」という思い込みでした。
慣れによる油断や事前確認の省略、保護具の未使用など、日常の小さな手抜きが大きな事故につながっています。
特に「いつもやっている作業だから安全」という過信が、危険を見えなくしてしまいます。
安全確認を「形式的」ではなく「確実に」行うことが、最も重要な防止策です。

✅【安全行動チェックリスト】
1.「慣れ」や油断で基本ルールを軽視しない
 → 慣れた作業ほど危険が潜んでいます。初心を忘れず、毎回確認を徹底。

2.事前確認を怠らず、手抜き・思い込みを排除する
 → 「大丈夫だろう」「いつもやってるから」という油断が事故を招きます。

3.適切な保護具を着用し、作業環境への配慮を忘れない
 → 保護具は“最後の盾”。使わない選択はリスクを増やします。

4.危険に対する認識不足や過信をなくす
 → 危険を軽く見る意識が、ヒューマンエラーを引き起こします。

【まとめ】

日々の安全は、一人ひとりの意識から生まれます。
毎日の KY(危険予知) を欠かさず行い、「大丈夫」ではなく「確実」に安全を確認しましょう。

これまでに発生した自社の災害事例を振り返ると、すべてが「防げた事故」でした。
つまり、安全意識を高め、基本を徹底すれば 事故はゼロにできる ということです。

作業中は気を緩めず、異常を感じたらすぐに報告をしましょう。
あなたの安全行動が、家族や仲間、そして会社の未来を守ります。

明日からもご安全に!



営業部:遠山